歯科保健指導とは

1989年の歯科衛生士法の改正により、歯科保健指導が法律に明文化されました。この法改正の意図は、歯科衛生士が高齢者の在宅介護の現場で活躍するようになることでした。

しかし、歯科衛生士の保健指導自体は、この法改正より前から行われていたのです。歯科医での歯磨き指導など、虫歯や歯周病予防の取り組みは当たり前のように行われていました。

それと同時に、このような保健指導で歯科衛生士は既に大きな成果を挙げていたといえます。そして、歯科保健指導が法律に規定されたことで、歯科衛生士に求められる水準はますます上がりました。単なる虫歯予防のための指導ではなく、生活の質を考慮した歯科保健指導が望まれたのです。そのため、食事や生活習慣などさまざまな要素を分析したうえでの的確な保健指導をすることを余儀なくされ、歯科衛生士に必要な能力もレベルが上がりました。

たとえば、単純に予防法だけを教えるのではなく、コミュニケーション能力がより重要になりました。患者の歯だけを見るのではなく、生活習慣や心情を聞き出せなければならないということです。患者の状況をしっかりと分析し、保健指導の計画や評価、記録の方法なども考えなければいけません。そして、患者を説得できるだけの知識を持ち合わせている必要があります。